「まだまだ老化は関係ない」と思っていませんか?実は老化細胞は20代や30代の体にもすでに蓄積し始めているといいます。加齢とともに増える「ゾンビ細胞」の正体とは?最新研究から、肌と体を守るヒントを探ります。
◇老化細胞ってシニアのものだと思ったら…なんと20代から蓄積が始まっていた!
20代から60代までの男女を対象に、老化細胞の体内への蓄積状況を調べた調査によると、年齢を重ねるにつれて老化細胞の発現数が増える一方、20代、30代でも老化細胞が多く蓄積している人が一定数存在することが明らかになりました。つまり、老化細胞の蓄積量は年齢だけで決まるわけではなく、生活習慣や環境要因など、さまざまな要素が影響すると考えられるのです。
◇そもそも「老化細胞」ってなに?なぜ「ゾンビ細胞」と呼ばれるの?
老化とは、身体の細胞や組織が時間とともに少しずつ機能を失っていく過程のことです。このプロセスに深く関わるのが「老化細胞」です。細胞老化により分裂を停止したものの、本来細胞に備わる死のプログラム(アポトーシス)を免れて体内に蓄積した細胞のことを指し、「ゾンビ細胞」とも呼ばれています。
老化研究の分野では現在、加齢により生体機能が低下するメカニズムを整理した概念「老化のホールマーク」が重要な指標として広く用いられています。2013年に提唱された9つの要因が基礎となり、その後の研究の進展によって2025年には14の要因へと拡張されました。老化細胞はこの14の要因の一つに位置づけられており、他の多くの要因とも関係していると考えられています。
◇まるで「腐ったミカン」。ひとつの老化細胞が周囲の細胞を蝕んでいく
老化細胞が厄介なのは、居座るだけにとどまらない点です。役割を終え、本来なら体内から退場するはずの細胞が居座ってしまう。それだけでも問題ですが、さらに恐ろしいのはこの細胞が周囲の正常な細胞に対してシグナルを送り、老化細胞へと変えてしまうことです。こうして居座る細胞が蓄積すると、組織全体のコンディションが変化し、周囲の正常な細胞にも影響を及ぼします。
この様子は、ひとつの「腐ったミカン」が悪影響を及ぼし、正常なミカンを腐らせてしまう例えでよく説明されます。老化細胞はこの「腐ったミカン」とよく似た存在で、周囲の正常な細胞の働きまで低下させてしまうのです。
肌への影響も見過ごせません。老化細胞が肌に蓄積すると、肌のハリや弾力を支えるコラーゲンやエラスチンの産生が低下し、さらに既存のコラーゲンやエラスチンの分解も進行します。その結果、真皮の構造が脆弱になり、深いシワやたるみを招くことになります。またターンオーバーの乱れやバリア機能の低下も招くため、シミや色ムラ、乾燥といったさまざまな肌悩みの一因になります。
◇どうすれば老化細胞を排出できる?答えは意外なところにあるみたい
こうした老化細胞のメカニズム解明に長年取り組んできたのがファンケルです。ファンケルは長年にわたって加齢研究を進めており、複数の部門が垣根を越えて多角的なアプローチを模索してきました。
内側へのアプローチとして着目したのが「キンミズヒキ」という植物です。ファンケル総合研究所は、キンミズヒキに含まれるポリフェノールの一種「アグリモール類」に、老化細胞の減少効果があることを突き止めました。実際に中高年男性を対象とした臨床試験では、キンミズヒキ由来アグリモール類の摂取により、血液中の老化細胞の比率が有意に減少することが確認されています。
一方、外側からのアプローチとして研究が進むのが「miR-365a」です。近年、エイジング研究の分野で注目されるエクソソーム。ファンケル総合研究所は、脂肪由来間葉系幹細胞から分泌されるエクソソームに含まれるマイクロRNAのひとつ「miR-365a」に着目し、皮膚細胞への作用を調べました。すると、miR-365aは老齢細胞では少なく、細胞内に増やすことで老化マーカーが減少することを確認しました。そこで、エクソソームを豊富に含むヤギミルクに着目し、ヤギミルク由来エクソソームにmiR-365aが含まれることを確認。老齢細胞に添加した試験では、コラーゲンやエラスチン産生の増加も確認されました。
◇未来の自分は今日から作れる!
老化細胞は、年齢を重ねた人だけの問題ではありません。もしも20代からすでに老化細胞の蓄積が続いてきたのだとしたら、今日からの積み重ねは未来の肌や体を左右することになります。まずは自分の生活習慣を見直すことから、老化細胞と上手に向き合う一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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